修士課程が終わったらすぐにタイに帰国する。
ところが、帰国の4か月前に、タイから持ってきたタイ料理の調味料が、大量に余っていることに気が付いた。タイ料理だけに大量…
10年間日本生活を振り返ると、日本でいろいろなタイ料理と出会い、タイ料理店が出す「本場のタイ料理」もあれば「全然ちゃうねん!」なタイ料理もありました。また留学中に一時帰国すると、これも確かよく食べるけど、海外ではあまり知られていないね、なタイ料理もあったり、ローカルな市場で見かけたものは、海外のタイ料理店で出てきたものと全然違うこともありました。
「本当のタイ料理」ってなんだろう…と、余った調味料をひたすら消費して、追求しました。
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基本的に肉・ガパオ・唐辛子されあれば成立する。玉ねぎやパプリカなんて余計なものだと言いたいですが、自由度高くアレンジできます。例えば揚げた豚バラのガパオ炒めも実地では大人気、そしご飯と一緒に痛めてガパオ炒飯、そして麺と炒める "Phad Kee Mao" も若者の間での逸品です。でも、肉・ガパオ・唐辛子の3つさえあれば…(あとにんにくも…)
もっと細かくいうと、タイバジル(Holy Basil)と洋風バジルは別物です。しかし本格タイバジルが中々手に入らないので、近所で買える洋風バジルをこっそり使ったこともあります。味は合格でしたが、のちにタイ人の留学生同士に「それ違ゃうやろ!」と笑われました。忘れられない、9年前のパクチーブーム
パクチーはあくまで香と色付けでした。その香りが苦手な日本人の友達もいましたが、むしろ苦手なタイ人も一定数います。(僕は平気ですが…)それをサラダのようにもりもり食べるのが日本で流行っていたなんて、中々狂っていましたね。
信号機みたいなタイカレー
代表的なタイカレーといえば RED、YELLOW、GREEN でしょうか。あとは茶色のマッサマンカレーも忘れないでほしいですが、本当のタイカレーはもっともっと豊富です。レッドでも単純な唐辛子ベースのもの、そして深みのあるパネーンカレー(Panang)があります。タイカレーの特徴として唐辛子ペーストとココナッツミルクを合わせたものが多いですが、唐辛子ペーストだけのカレー、ココナッツミルクだけのカレーもあります。
ものによってはカレーよりスープですが、ご飯と一緒に食べるなら、汁物でも "Kaeng" と呼ばれます。いや、そもそもタイで「カレー」「カリー」と呼ばれるものは黄色のターメリックベースのものだけで、RED や GREEN、マッサマンは全部タイ語で "Kaeng" なのです。
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各種のタイカレーの決定的な具材は、無い
このカレーはこの具材に合う、と勝手に思われたりしますが、日本カレーのようにアレンジは当然自由自在で、各種には決定的な正解は無いでしょう。
実地では魚肉団子を入れたカレーもあります。しかし海外のタイ料理店で、低価な魚のすり身のカレーが提供されたらガッカリするでしょう。でも、実地ではよくブツ切りの鶏肉を使ったりして、調理が悪いと骨の破片が口に刺さって、食欲が進みないこともあります。だから骨が苦手なときは魚肉団子カレーにします。今度のグリーンカレーに、魚類のすり身やちくわを試してみてください。
以前の僕も、グリーンカレーにはタイ茄子が決定的な具材だと思い込んでいて、11年前に無印良品からレトルトグリーンカレーが発売された時は、刻んだタケノコばかり入っていたことにガッカリしました。でもタイに帰ると、市販のグリーンカレーにはタイ茄子を使わず、ココナッツの芽、タケノコや冬瓜を使ったのもありました。
現地でもバラツキ?バリエーション?
違いがあって当然
僕も6年間福岡に住んでいて、福岡の豚骨ラーメンの派生をたくさん体験しました。クセ強めの長浜ラーメンに、コクの効いた久留米ラーメン、そして熊本と鹿児島にもそれぞれ個性豊かな豚骨が展開されます。長浜ラーメンにも、長浜屋と長浜家のような(良い意味での)変わり者もあります。
タイ料理も同様です。トムヤムスープの例を言うと、海外でよく知られるトムヤムスープは爽やかなオレンジ色のスープですが、「ヤム」は辛酸っぱいの意味で、基本スープに唐辛子とライム汁を加えただけのすごく透明な汁物もトムヤムです。
本当は、皆違って皆良い、と言いたかったですが、全然コクが効かなくて、鶏肉の骨がすごく気になって、妙に臭くて食べられないものが市場に転がっています。だから「皆良い」とは言い切れません。
海外で食べるタイ料理は味付け、いや「印象操作」されてる
実地の食べ物は市場・屋台ものだと言いました。でも海外では「レストラン」文化が主流ですから、路上の食べ物なんて食卓に出せるわけにもいきません。約25年前、タイ政府は海外でタイ料理を広めたく、チェフを料理教室に通わせるなどして、レストランとして認められるタイ料理店を狙いました。海外で食べるタイ料理はどの店も似ているのは、ある程度管理されているからです。ただ、本当にタイの庶民が食べる屋台ものとかなり違う点では、印象操作と言ってもよいでしょうか。
元祖の印象操作は「パッタイ」
料理名に「タイ」が入ってるくらいタイ料理を主張していますよね?ざっくり説明すると、戦時下のタイは外国に支配されないように、当時の政府はタイの標準的な近代文化を制定することにしました。そこで生まれたのがパッタイで、麺は米麵、ソースも醤油ではなくタマリンドベースにして、中華料理に使うような材料を極力避けたと言われています。
海外でよく知られるパッタイはよくエビが乗りますが、結局パッタイのキモは甘酸っぱいタマリンドソースで、具材はなんでも構いません。(だってエビ高いでしょ)市場でも春雨麺のパッタイ、そもそもお肉が無くて豆腐しか入ってないパッタイまであります。
屋台・路上のタイ料理の魅力、いわゆる「ストリート・フード」が注目されています。やっと「本当のタイ料理」が世界に理解されるようになれば嬉しい限りです。
でも、当時のタイ政府が路上のタイ料理を輸出させないのは間違いではなかったです。今の市場でも、品質がバラバラすぎて、同じ店でも日によって味が劇的に変わったり、具材が腐りそうな日もあって、常連でもお腹を壊しかけることがありました。だから、しっかり「品質管理」ができたタイ料理を輸出させた作戦は大成功で、その品質管理で屋台を一層レベルアップさせることができたでしょう。
何より、料理にはバリエーションがあり、これぞ決定的な「パッタイ」や「グリーンカレー」は無いかもしれません。色々なタイ料理、そして各種の中のバリエーションが、より世界に認められたらな、と僕は思います。
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